SAROMA 100km episode 4 [マラソン:レポート]
60kmは思い出深い場所
つかの間でもいい、思い出に浸りたい。でもそんな余裕はなさそう。計画を上回るペースで通過したものの、その要因はレストステーション滞在時間の短縮。残念ながら走力によるものではない。今日の走力・体力はかなり落ちていると実感。70km関門の制限時間に間に合いそうだが、余裕を持って通過しないと80kmがとても危うい。
坂を登ると61km、そのあと左に折れて若干下ると62km、あと1kmでスペシャルドリンクがある。公式には65km地点の給水でスペシャルドリンクとなっているが、実際には63.2kmくらいだろうか。スペシャルは懲りずに炭酸。この気温の低さで飲みきれるか心配。
給水ポイントはスペシャルを受け取っただけで通過。まずは64kmを目指す。ここからしばらくは1kmごとの距離表示を目安にRun & Walk、ウォークの間にチビチビと炭酸を飲む。うーん、ちょっと多いなぁ、と。
サロマ湖畔ユースホステルを通過。前後のランナーとは抜きつ抜かれつ。無論、スピードを出しての展開ではなく、走っていたら前のランナーを抜いてしまい、ちょっと歩いたら抜かれるという繰り返し。周りでは「また会いましたね」とか「みんな、いっぱいいっぱいなんだよ」という会話。視覚障害ランナーの伴走をしている方が、周りの状況を説明しながら走っている。
65地点の通過は計測忘れ。
66km地点の通過タイムは7:59'47"、6kmラップは48'15"(手元計時)
キロ8分ペースは想定をちょっとオーバー。このままだと70km地点で8時間30分を超えてしまう。関門制限は8時間45分。しかし次の80kmの制限は10時間。つまり制限ギリギリで通過すると次の10kmを1時間15分で走らねばならない。私の実力では無理な話。最低でも1時間25分は欲しい。よって70km地点は8時間35分以内で通過したい。
佐呂間大橋を通過。ここを走るのは3回目。過去、リタイアしたときはここを走れず。6回目のサロマだがこれ以降はまだ新鮮な感覚。ほどなく、この大会で有名な斉藤商店の私設エイド。直前に公式のかぶり水給水があるが、寒くて誰も使っていない。斉藤商店ではお絞りで顔を拭いて、温かいお茶をいただいた。その日の気象条件によって臨機応変な運営には頭が下がる。その斉藤商店の目の前では高石ともやさんがギター1本で生歌。何かの替え歌を唄っていたような…。
あと2km弱で70km関門。振り絞って、気持ち的にはペースアップ。国道から道道442号線に入った直後に関門。関門直前で歩道から車道に降りる段差が辛い。脚の疲労はピークにきている。
70km地点の通過タイムは8:31'16"、4kmラップは31'28"(手元計時)
目標を1分以上オーバーするも直前ラップは改善。キロ8分を切っている。心の中でガッツポーズ。
関門直後で休んでいるランナーが多数。私も100mほど行ったところで立ち止まってストレッチ。そのあと数分間歩く。最難関と位置づけた70kmに到達した達成感と残り30kmを走りきれるかという焦燥感。ひとまず自分へのプチご褒美で歩くことにした。歩くことで体力回復も狙う。このあとのペースはキロ8分30秒でいい。そう思うと気が楽になった。
再びRun & Walk、ちょっと記憶が曖昧だが1分ほど歩いて残りを走る。1kmあたり8分前後で行っていたように思う。74km手前にサロマ湖鶴雅リゾートが見える。「お汁粉だ」と心の中で叫ぶ。初めて完走した2009年大会では品切れ。昨年のこの大会で初めて味わったサロマのお汁粉。今年はどうだろう。
まず給水でWGH Proを飲む。そして汁粉を探す。あった、と思って食べたらだし汁にお餅…、ん?これじゃ雑煮だ。と思って再度探してみると今回は2種類用意してあるようだ。改めて汁粉もいただく。ちょっと食べすぎか。
このお汁粉、給水ポイントにあるので公式かと思っていたが、大会案内には記載なし。鶴雅リゾートの私設エイドのようだ。6年目にして初めて気づいた。お恥ずかしい。
80kmまでどう走ろうか思案しながら走っていたら、75km地点で計測忘れ。集中力が切れ掛かっているのか。エイドでのロスタイム含めてキロ9分くらいのペース。このあと立ち止まらなければ何とかなるかもと思い、軽くストレッチとエアーサロンパス。エアーサロンパスは先日購入したSPIBELTに試供版を3本入れていた。
この辺りはコース上に警備員が立っている。おそらく車道を走るランナーを歩道に促しているのだろう。時折、道警のパトカーが来て車道を走るランナーに警告している。歩道の細かいアップダウンが気になるのは事実だが、交通規制をしていないので仕方あるまい。ワッカ原生花園入口と表示。観光だとこの辺りから入るのだろうか。大会でしか通っていないので良くわからない。
しばらくするとサイクリングロードに入る。ここを抜ければ80kmまだあとわずかだ。微妙な下り坂だろうか。歩きたい気持ちと関門での制限時間への焦燥感が交錯する。視界が開けてくる。左斜めに給水ポイントが見える。最後のスペシャルドリンク。昨年、このポイントのスペシャルドリンクは温まってしまい飲めたものではなかった。今年はずっと気温の低いまま。取らずに通過するか、一口飲んで捨てるか、あるいは帰りに拾うか。ワッカの帰りだと約98km地点となる。残り2kmでスペシャルを取ってもなぁ、と思い、結局、自分で拾い上げた。
鬱蒼とした森に突入。登り坂。歩いているランナーの中、やはり登り坂は踏ん張る。ここで踏ん張れば残りは楽になるはず、と自分を騙しだまし走り続ける。見えた。
80km地点の通過タイムは9:55'59"、10kmラップは1:24'42"(手元計時)
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後半の、心身ともにキツくなってくるところだと思いますのに
いろいろと冷静に考えておられ、走っておられることが
本当にすごいです!!
by keroyon (2012-07-08 16:19)
生きるか死ぬか?
関門という敵は、相手にしたくないなあ。
でも、あくまで冷静で素晴らしい。
by ammysan (2012-07-08 20:44)
◆keroyon さん
コメントありがとうございます。
最近、ウルトラマラソンは頭のスポーツ、と思うようになりました。
常に計算と判断を求めら、体力だけでは走りきれない…、と。
by Mr45 (2012-07-08 23:16)
◆ammysan さん
2007年、2008年と2年連続リタイアしたとき、関門前でパニックなってしまい、それ以降「計画通りには物事は進まぬ」と肝に銘じました。
まぁ、それでも毎年焦っていますけど…。
by Mr45 (2012-07-08 23:18)